Working with Celtic FC:セルティックFCとThrivathlete

2021年11月28日 Celtic vs Aberdeen 戦

こんにちは、Thrivathlete UKメンバーのローザです。

私がセルティックFCをお手伝いするきっかけになったのは、2021年の秋ごろでした。セルティックのスタッフから、ある日突然電話があったんです。

「我々の監督と日本人選手のZOOMミーティングがあるので、コミュニケーションのサポートをお願いしたい」…

これが始まりでした。当時はまだ、日本人選手の移籍話が内密に進んでいたので、慎重な思いで挑みました。

当日のZOOM。相手がどのような選手なのか知らされておらず、沢山のスタッフの方々が参加するであろうと勝手に予想しておりました。で、時間になったのでZOOMの参加ボタンを押すと、画面にポンと浮かんだのが、若い日本人選手とアンジェ・ポステコグルー監督の二人のみでした。

私はテック業界経験が長く、過去には様々な大手企業の社長相手にプレゼンしたり、かなり緊張する会議を日本語と英語で仕切ってきた経験があったにもかかわらず、この特殊なZOOM空間には一瞬緊張しました。

チームの説明や、なぜ彼(日本人選手)に来て欲しいのか、どのポジションでプレイしてもらいたいのか、などなど、フランクな会話が行き来します。私は言葉のサポート及びメディエーターとして入りましたが、セルティックという超人気チームと、優秀な日本人選手との間のやり取りと言う、とても貴重なシーンを、そのド真ん中で接することが出来たわけです。

アンジェ監督って、知らない人は一見「この人怖い」って思うかもしれませんが、ただただ逆で、とても優しいジェントルマンでした。30分間、長いようで短いミーティングが無事終了し、そして、数ヶ月後、その日本選手が、無事グラスゴーセルティックに加入することになったわけです。

それが縁となり、その後もセルティックを、ちょくちょくお手伝いすることになりました。

 

お手伝いさせていただいたセルティックTV:古橋選手の独占インタビュー

旗手怜央選手の初日プレス・インタビュー

 

古橋選手のYoutubeインタビューや、新しい日本人選手の移籍に関しても、様々な事細かなサポートをさせて頂きました。当時の英国はコロナも増えていた時期なので、移籍プランニングも通常より大変で、予想外のことが多々起きましたが、フレキシブルに素早く動くセルティックスタッフには関心しました。私も、出来るだけ選手たちのストレスを抑えるように心がけてサポートに入りました。

日本からグラスゴーに移住する。シンプルなようで実は大変なことなんです。

海外経験がなく日本でずっとプレイをしてきた選手にとっては、特にストレスフルなことでもあります。言葉の壁だけではなく、気候、食事、住宅、文化、そしてメンタリティなど、すべてがNEWなわけです。ですから、どの国に移籍してもチャレンジ精神は必要だと思います。

文化面で言うと、グラスゴーは英国の中でも、やや特殊な面があると感じています。たとえ話ですが、ロンドンを東京だとすると、エディンバラが京都、そしてグラスゴーは完全に大阪だと言えます。大阪出身の私の勝手な位置付けですが(笑)、どうでしょう、一瞬でニュアンスが伝わリませんか?

グラスゴーは大阪と似ていて、お笑いやユーモアがとても豊かな街。この街のジョークは、皮肉、ダメ出し、一瞬間を置いてから笑えるユーモアなど、他にはないものです。あなたが、一瞬けなされているように感じても、実は、大阪のお笑い芸人がツッコミをするように、グラスゴー人は皮肉なジョークを含んだフレンドリーな挨拶をして、あなたをウェルカムするわけなんです。グラスゴーには、漫談の「寄席」まであります。

英国でも、特にグラスゴーの人々はウェルカム精神が高く、フレンドリーで暖かい人たちが多いと私は思っています。と言うのも、私は大学時代をグラスゴーで過ごしており、さらに母方の家族や親戚もみんなグラスゴー人なんです。

ま、上にあげたことなど、小さな文化知識かもしれませんが、知っておくことで、新しい街に溶け込みやすくなるきっかけになると思います。

私自身、中学一年生の時に、日本から英国に移住しているので、日本人がこちらに移住して感じる辛いことや苦労など、大いに理解できますし予想もできます。そして、日本社会のマナーにあるように、使わなくても、ただ知っているだけで特する文化面などもよく知っています。ですから、日本からUKに移住するアスリートが、少しでも楽に、そしてスムーズに移籍ができるように、今後もサポートしていきたいと思っております。

海外経験をすることは、一面、今までの当たり前や快適性(Comfort)から離れることを意味します。でも、私は、自分自身の経験上、この不快感(Uncomfortable)は、その後の得難い経験に転化すると強く信じていますし、特にアスリートにとっては、この上ない大変重要な経験になると確信しています。

 

スポーツは、文化・習慣・言葉などの違いを超えて人々を繋いでくれる

 

私の父は、スコットランドに移住した数少ない日本人ですが彼が言います。「グラスゴーのパブで、中村俊輔の大活躍でセルティックが勝った瞬間、大騒ぎになった。そして、たまたまその場にいた日本人の私にビールをおごってくれた」

さらに言います。「グラスゴーの目抜き通りを歩いていて、日本人というだけで友好的な視線を感じたこともある」

あらゆる賞を総なめにした中村俊輔の大活躍のおかげで、日本や日本人が好きなスコットランド人が増えた事、日本や日本文化に関心を持つ人が増えた事などはまぎれもない事実です。そして、言葉など通じなくても、セルティックファンと日本人は肩を組んでビールを飲む事が出来るわけですね。

 

つまり、アスリートが活躍することによって、単なるスポーツの勝ち負け以上の素晴らしい結果が待ち受けていると言えますね。国と国、文化と文化、そして人と人を繋げるパワーとも言えます。そう信じているからこそ、私は日本から世界でThrive(活躍)したいアスリートが今後もたくさん出てきてくれたらいいなと思っています。

 

Thrivathleteは、そういう選手たちを全力でサポートしていきますし、そういった「支え」のしっかりしたプラットフォームになれたらいいなと心より思っています。

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